Chapter 04 — Hand Drip
第四章 ハンドドリップ
お湯を粉に通し、重力でゆっくり落とす。クリーンで雑味が出にくいのが持ち味。基本の型を覚えれば、毎回ブレずに淹れられる。
01基本の数値
まずこの4つを固定して淹れる。1つずつしか動かさないから、味の変化が読める。
02ドリッパーの形:円錐 ⇄ 平底
穴の数と底の形で、湯の抜ける速さと粉に触れる時間が変わる。それが味の差になる。
湯が中心へ集まり速く抜ける→注ぎで時間を作る
うまく注げば明るくクリーン。腕で味が動くぶん難しい
粉床が広く平ら→湯が均一に当たり安定
甘く・丸く・ボディ厚め。出過ぎ/出なすぎが起きにくい
明るさ・華やかさを攻めるなら円錐、安定と甘みなら平底。狙いで選ぶ。
03代表的なドリッパー早見
迷ったら、まずはカリタ三つ穴かV60。同じ豆でも形で表情が変わる。
穴が多い/大きい=速く抜けて軽い、少ない/小さい=たまって濃い。
04ペーパーの選び方
図淹れる前のひと手間:リンスとパージ
どちらも雑味の予防。慣れたら無意識でやる “下ごしらえ”。
セットした紙へ 先に湯を通す → 紙臭を流す
同時に ドリッパーとサーバーを予熱 → 抽出中の湯温が下がりにくい
湯は捨ててから粉を入れる
挽き始めの 少量を捨てる
ミルに残った 前回の粉・微粉 の混入を防ぐ
狙った粉量のブレも減る
05蒸らし(ブルーミング)=最初の30〜45秒
焙煎で豆に閉じ込められたCO₂(炭酸ガス)を、抜くための工程。粉量の約2倍の湯(20gなら40g前後)を全体に行き渡らせ、30〜45秒待つ。ガスが残ったまま注ぐと、湯が粉から押し返されてムラになり、すっぱく・薄く・ぼやけた味になる。よく膨らむ=新鮮な証拠。膨らまない豆は鮮度が落ちている。
064:6メソッドの5投(20g/湯300g/粗挽き/90℃前後)
4:6メソッドの注湯スケジュール
20g の粉に 60g ずつ5回、約45秒おきに注いで計300g。最初の2投(120g)=前半40%で味を、残り3投=後半60%で濃さを決める。
074:6の考え方:前半=味、後半=濃さ
湯を 4:6 に分け、別々に決める(粕谷哲さんのメソッド)。狙って味を作れるのが強み。
酸味↔甘味のバランスを決める
間隔を空ける→甘く/早める→さっぱり明るい
濃さを決める
投数を増やす→濃く/減らす→あっさり
前半=味の方向、後半=濃度。切り分けて考えると再現できる。
08注ぎ方:浸漬ぎみ ⇄ こまめに注ぐ
引き出す力=粉の中と外の“濃度の差”。湯がフレッシュなほど強く出る。注ぎは中心から“の”の字で外周は避け、湯面の高さを一定に。
まわりが濃くなり平衡に近づく=穏やかに頭打ち
丸く・ボディ厚め・失敗しにくい
常にフレッシュな湯で濃度差を保ち強く引き出す
クリーン・明るい/出し過ぎ=渋み注意
丸さ・安定なら“ためる”、クリアさ・華やかさなら“こまめに”。
09挽き目と粒度のばらつき
10トラブル逆引き
変えるのは一度に一つ。動かしたら必ず味見してから次へ。
迷ったら蒸らし→挽き目→湯温の順で疑う。
11豆の鮮度・ガス・保管
コーヒーの敵は酸素・光・熱・湿気の4つ。焙煎直後はガスが多すぎて味が暴れるので数日寝かせ、開封後は1〜2週間で使い切るのが目安。密閉できる遮光容器に入れ、涼しく暗い場所へ。冷蔵庫は湿気と移り香でかえって劣化することがある。挽くのは淹れる直前——粉にすると表面積が増え、酸化が一気に進む。